2013年5月11日

[英単語×リスニング] iPhoneの生みの親 スティーブ ジョブズの英語を丁寧に聴いて見る その7 ~ Steve Jobs' Commencement address at Stanford



▼ 今回の単語 (単語のリンク先から音声が聞けます。by Weblio
  • entrepreneur  [名詞] 事業家、起業家
  • screw up [名詞・口語] へま、失敗
  • dawn  [名詞] 夜が明ける、分かり始める (+on)
  • start over  [動詞] やり直す
  • heaviness  [名詞] 重苦しさ、憂鬱さ
     
アップルの創業者 スティーブ ジョブズ氏のスピーチリスニング、7回目です。

心血を注いで創業した会社を、30歳にして追い出されてしまったジョブズ氏。そのショックは計り知れないものがありました。今回は、意気消沈したジョブズ氏の再起の話です。

13:56) I really didn't know what to do for a few months. I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down - that I had dropped the baton as it was being passed to me. I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for screwing up so badly. I was a very public failure, and I even thought about running away from the valley. But something slowly began to dawn on me ? I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I had been rejected, but I was still in love. And so I decided to start over.
I didn't see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me. The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything. It freed me to enter one of the most creative periods of my life.
"'You've got to find what you love,' Jobs says", Stanford Report, June 14, 2005

会社を追い出されたジョブズ氏は、"I really didn't know what to do for a few months. "(数か月は、実際なにをしたらよいか分からなかった。)と語りました。

まさに、茫然自失です。

また、"I had let the previous generation of entrepreneurs down"(先輩企業家をがっかりさせた)ことも感じていました。そんな中で、デービッド・パッカード(David Packard)やボブ・ノイス(Bob Noyce)に会い、失敗を詫びに行きました。

デービッド・パッカード氏は、PCメーカー ヒューレット・パッカードの創業者。ロバート・ノイス氏は半導体メーカー インテルの創業者です。BobはRobertの愛称です。以前から、多くの人が彼を支持していたことが分かります。

この時の気持ちを表した、"running from the valley"(the valleyから逃げ出す)の"the valley"はシリコンバレーのことです。今では両社とも大会社ですが、いずれもこの"the valley"から育った企業です。

さて、がっかりしてばかりもいられません。傷は徐々に癒えるものです。

"But something slowly began to dawn on me ?"(しかし、徐々に私はなにかに気づき始めました)と彼が述べていますが、何に気づいたのかというと" I still loved what I did."(自分のやってきたことが好き)ということです。

もはや、アップルで起こった事態は巻き戻せません。そこで、"I decided to start over."(私はやり直すことを決めた)のです。

このように決断したことで、"The heaviness of being successful"(成功の重苦しさ)が"the lightness of being a beginner"(挑戦者の身軽さ)に変わりました。この文章にある、"less sure about everything"(全てにおいて確かなものが少ない)というのは、不安ですが「身軽さ」や「これから」という希望を表す、挑戦者の気概でもあります。

確立したものが多すぎると、安心感を得られますが、何事においても刺激や機動力が低下します。サラリーマンの多くが感じるところですよね。

さて、こうした事態はその時はつらいのですが、過ぎてみると"it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me. "(今まで自分に起こったことの中で、アップルから解雇されたことが一番ベストだったtことが分かった)のです。"it turn out that ~"で「分かる」ですよ!

幸い転じて福となす。この時、ジョブズ氏に新しい可能性が開けました。

ジョブズ氏は" It freed me to enter one of the most creative periods of my life."(私の人生で最も創造的な時期を迎えるための自由を私は得たのです)と述べています。

「人生の中で一生懸命取り組んだものに無駄なものはなにもなく、道は開ける」というのは、ジョブズ氏が一貫して信じるところです。世の中はチャンスに満ちている。そんなことを感じさせてくれるお話でした。

次回は、ジョブズ氏が新しい事業にチャレンジしていきます。

▼ [特集目次] iPhoneの生みの親 スティーブ ジョブズの英語を丁寧に聴いて見る

 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 その11

▼ 日本語訳は日経で見ることができます。

「「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳」日経新聞 2011年10月9日
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