2013年5月9日

[レビュー] リスニング力を上げるトレーニング法を身につける ~ スーパーエルマー by 東京SIM外語研究所

ダン上野Jr.氏のトークが面白いスーパーエルマー

リスニングの勉強方法をきちんと知っていますか?

今回レビューした英語教材 スーパーエルマーは、リスニング力を叩き直す意味でも理にかなった内容だと思います。

教材自体に興味がない方も、英語学習の方法として使える内容が多いので、ご参考になると思います。

教材データ

  • 教材名: スーパーエルマー
  • 発行元: 東京SIM外語研究所
  • タイプ: テキスト+音声・解説CD
  • コース・料金
    CBSコース(中~上級):50,400円 税込
    VOAコース(初~中級):47,250円 税込
    ※分割払いあり

リスニング力を強化する勉強法を知ろう!

リスニング力の強化は、TOEICのスコアアップにおける最短の道です。

なぜかというと、TOEICの配点の半分を占めるリスニングセクションの問題は、リーディング問題に比べはるかに容易だからです。そのため、英語を聴ければ確実にスコアアップします。

ただし問題は、リスニング力の強化ですよね。

考えてみると、英文法や英文読解のトレーニング方法は、学校教育で長年練習してきたため、ある程度は身についています。あとはやるかやらないかだけ。一方で、リスニングのトレーニング方法は、学校では教えてくれません。

では、どこで教えられているかというと、通訳やキャビンアテンダント養成のスクールなどです。ただし、指導から教材学習まで手間も時間もかかります。そのため、独学で効率的にリスニングのトレーニングをすることは難しいのです。参考書を頼りに独学すると、僕のように数年単位で遠回りしかねません。

そういう中で、今回レビューする「スーパーエルマー」は、本格的なリスニングのトレーニングを愚直に提供してくれる内容と判断しました。

次に、トレーニング内容を見てみましょう。独学の方も参考になると思います。

3つのトレーニング内容を生かそう! ~ テスト利用の感想

最初にスーパーエルマー(Super ELMer)の概略です。本教材は約1年分の英語教材が届くパッケージ型。「ELMer」はEasy Listening Methodの略だそうです。今回のレビューに当たって、無料サンプルを利用しました。

この教材の基本目標は、ネイティブの英語音声を聴けるようにすること。

コースは、米国の主要ニュース放送CBSを利用した中上級向けコース(150~170ワード/分のナチュラルスピード)か、海外向け米政府系英語放送 VOA(100ワード/分のゆっくりスピード)を利用した初級者コースを選べます。音声の質やニューステーマの割り振りは十分だと思います。

この教材の骨格にあたるトレーニング内容は、おおよそ3つに分かれます。

  • 英語の語順で聴く訓練
  • ネイティブの発音スピードに段階的に慣れる訓練
  • 英語の音節リズムに従って発音する訓練
     
それぞれを見ていきましょう。


英語の流れで聴く耳を作る

「英語の語順で聴く訓練」は、学校英語で教えられた「返り読み」の克服がテーマです。通訳の方のトレーニング法に近い内容で、筋の良い方法だと思います。

日本語と英語の語順は違いが大きいため、学校教育では、英語の順序を組み替えて英文を読む練習をします。例えばこうです。

"I read the book that she bought yesterday."

学校英語だと、"that she bought yesterday"が"the book"にかかるから「昨日彼女が買った本」になると習います。一つの文章をグループに分けて逆さに訳す作業を教わります。

英文を理解するときには、これでよいのです。しかし、英語を聞きながらこのように理解するのは不可能です。僕自身、この返り読みを克服するのに、かなりの時間を要しました。

そのため、スーパーエルマーでは英語の流れに逆らわずに理解していく「Hop, Skip, Jump」と呼ぶトレーニング方法を採用しています。

Hop のトレーニングでは、意味のまとまりに区切られた英文音声の後に、日本語訳の音声がつきます。先ほどの例でいうと、"I read the book"が発音された後に、「私はその本を読む」という訳音が流れ、その次に"that she bought yesterday"→「彼女が昨日買った」と続きます。

Skipのトレーニングでは、日本語訳の音声を無音にして、音声が流れます。"I read the book"の後に無音の区切りがあり、"that she bought yesterday."と続きます。

Jumpで、通常の全てがつながった英語音声となります。

"I read the book that she bought yesterday"とまとめて理解するのはなく、I read the book"と"that she bought yesterday"の足し算として理解していく訓練を積むことで、長い英語もきちんと理解できるようになります。

次は英語の速さになれるトレーニングです。


早いスピードを英語を聴くと、普通の速度が本当にスローになる

「ネイティブの発音スピードにステップを踏んで慣れる訓練」もトライしました。

このトレーニングは、「早い音を聴くことに慣れることで、通常の英語をゆっくり確実に聴き取れるようにする」ことを狙っています。スーパーエルマーでは、同じ英語音声が150%→180%→200%と段階的に早まったうえで、最後に100%の通常音声を聴く流れになります。

これをやると、通常の英語が本当にゆっくり聞こえます!

私も以前から倍速音声を聞いてトレーニングしていますが、この教材はより丁寧なやり方です。

ぜひ早い音声で耳を慣らす方法は、皆さんの学習に取り入れることをお勧めいたします。


英語のリズムは実はかなり重要だと知る

最後は「英語の音節リズムに従って発音する訓練」です。

なるほどと思ったのが、ネイティブは「音節」で単語を判断しているという解説です。少しこの教材の説明をまとめてみます。

例は「McDonald's」という単語です。日本語だと「マ・ク・ド・ナ・ル・ド」の6音節です。英語だと「マク・ダー・ナー」の3音節です。ネイティブは「McDonald's」をこの3音節の単語として認識しているので、日本語で「マクドナルド」と6つに音が区切られて話されても、それが「McDonald's」か分かりません。通じないのです。

この説明にはうなりました。

確かに、日本語の「ごはん」という3音節の単語を、「ごうはあん」(5音節)とか「ごん」(2音節)と言われても、私たちも理解できません。

スーパーエルマーでは「音節リズムトレーニング」として、音節を正しく発音するトレーニングを提供しています。教材を制作したダン上野氏の解説のあと、発音練習となります。ここで、音節の重要さを理解すれば、通じる英語を発音できるようになります。

教材の費用、学習期間

この教材をこなせばリスニング力とともに、TOEICスコアは確実に上がると思います。

ただし、内容の性質から中学レベルの英語はきちんと理解している必要がありますし、文法などのTOEICのリーディングセクションの練習も補う必要があります。

費用は47,250円~50,400円です。分割払いがあるとしても、思い付きで買うには勇気のいる価格です。そこで、僕の私見を以下に書いてみます。

リスニング強化のための「学習ノウハウそのもの」を買うと考えれば、この教材のコスパは高いと思います。なぜなら、独学で学習ノウハウを築くには、試行錯誤を繰り返す膨大な時間が必要です。自分自身がそうでした。そのため、成果の出ている学習法を選び、無駄な時間を費やさない「時間を買う」という意味で、良いと思います。

次に、学習時間の長短についてです。この教材を全部やるには、1日1時間で300日とのこと。正直、続くかどうか不安になる長さです。幸いなことに通勤時間でも本を使わず学習できるように工夫されているため、隙間時間に勉強できる強みはあります。

個人的な見立てだと、この内容であれば3か月程度でリスニング力も大分変ってくるのではないかと感じられます。ですから、まずは3か月間まじめに取り組むつもりで始めるとよいと思います。

※ 体験版について

スーパーエルマーには「10日間体験版」が用意されています。「10日間体験版」は内容や実物を確かめた上で、始めることができるのできますが、注意点もあります。

この「10日間体験版」では「試聴サンプルと初回教材セット」が送られてきます。購入を決めていない場合、「初回教材セット」を無開封で10日以内に返却する必要があります(返送費は自己負担)。封が開いていると受け付けてもらえないとのことなので、うっかり封を開かないように注意が必要です。なお、視聴サンプルはもらえます。

また、解説資料のみの場合は東京SIM外語研究所トップから申込みできます。

まとめ

結論ですが、リスニング力やTOEICのリスニングセクションのスコアを短期で鍛えたい方に、おすすめできる内容です。

ただし、中学~高校初級レベルの基本的な英語力は必要です。なぜなら、基本文法・単語が備わっていないと、リスニングトレーニングの効果が発揮しにくいからです。また、単語やフレーズの解説はテキストに載っていますが、ニュース英語なので単語もそれなりのものが出てきます。

初~中級者の方は、単語や文法レベルの観点からVOAコースが無難だと思います。

玉石混交の英語教材業界ですが、いくつか見た中では、かなりきちんとした部類に入りますし、理にかなった内容でリスニング力を高めることができます。

また、教材を利用する・しないにかかわらず、学習にスーパーエルマーのやり方を取り入れると効果的だと思います。

▼ 教材の詳細について

詳細ページはこちら: スーパーエルマー / 東京SIM外語研究所
(内容は販売元HPが詳しいため、確認をおすすめします)
ぽちっと応援よろしくお願いいたします!

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