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| 別にア○ヒビールに他意はありません。画像はイメージですよ! |
▼ 今回の単語
- weaken /wíːk(ə)n/ [動詞] ~を弱める、弱まる
- analyst /ˈænəlɪst/ [名詞] 分析者、アナリスト
- shipment /ʃípmənt/ [名詞] 発送、積荷
アベノミクスによる円安で、輸出が拡大し、景気が回復するのではないかとの期待が世間では巻き起こってます。
冷や水ではないのですが、BBCは単刀直入に「無理ぽ。」と申しております。
The yen has weakened by nearly 20% against the US dollar since November. That makes Japanese goods more affordable to foreign buyers.
But analysts said that many of Japan's leading exports has been shifting production overseas over the past years, and as result, their shipments from Japan had not been rising.
"Japan posts trade deficit for eighth straight month",
BBC,21 March 2013
http://www.bbc.co.uk/news/business-21873028
昨年の11月以降、円はドルに対して"has weakened by nearly 20%"(20%近く安くなった)といった状況です。
どういう状態なのか? 海外から物を買うことを考えます。
以前は1ドルの商品を76円で買えましたが、現在は95円ないと買えません。逆に、定価1ドルの商品を海外へ売るときは、以前は76円しか受け取れませんが、現在では95円受け取れます。
日本から海外へ物を売っている人は、ドルを基準に取引することが多いので、円が"weaken"(弱くなる=安くなる)と円で受け取れる額が大きくなったり、円安で得られた利益を値引きに使うことができるので、他のライバルに勝つことができます。
というわけで、"That makes Japanese goods more affordable to foreign buyers."(海外の買い手にとって、日本製品がより手ごろな価格になる)ことが期待できるわけです。
しかし、「そんなに甘くねぇんだよっ!」というのが、この記事の言うところです。
経済を分析している"analysts"(アナリスト)と言われる方々は、"many of Japan's leading exports has been shifting production overseas over the past years"(日本の代表的な輸出企業の多くが、ここ数年、海外生産に軸足を移してきた)と述べています。
"as result"(結果として)・・・、"their shipments from Japan had not been rising."(日本からの輸出は増えなかった)と手厳しいのです。
そう! 日本企業は国内で商品作ってないから、円安でも意味ないじゃんっ! と言われているわけです。
こうした状況ですから、記事のタイトル通り、"Japan posts trade deficit for eighth straight month"(8か月にわたって日本は貿易赤字を計上している)様になります。
原発が止まって、海外からエネルギーなどの輸入が増えています。結果として、輸出して海外から稼いでくる額より、買う額が大きくなってしまった。そして、円安になっても、この傾向は変わらないだろうというのがBBCの論調でした。
アベノミクスで景気は回復するのでしょうか?
T-Biz的に考えると、こんな感じですかね・・・。
- 経済状況を表す数字は良くなる。
- 新卒採用はちょっとだけよくなるけど、雇用全体はさほど増えない。
- 株や土地などを持っている資産家は助かるけど、多くの日本人に波及はしない。
しかしそのような現象は起こっていません。
海外企業との競争上、景気回復で得られた利益で、日本企業は「海外生産」を増やすでしょう。日本人の雇用や給料が増えるわけではありませんから、国内になかなかお金が出回らない。
そのお金が出回るとしたら、株を持っている投資家などの人々です。
というわけで、「みんなが一斉に」景気回復を実感というところまでいかないのでしょうね。
ちなみに、厳しいイギリス人ですから、こんなことも書いています。
"demand for Japanese goods had been falling in key markets such as the European Union (EU) and China"(ヨーロッパや中国などの主要マーケットで、日本製品の需要は落ち続けてきた)
ちょっと明るい兆しも出てきているといわれた日本経済。「浮世の春」にならないように、ビジネスパーソンとしては冷静に状況を見て、対応したいものです。
▼ アベノミクスをきちんと理解してみるのはいかがでしょうか? な一冊
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