TOEIC学習では、単語の壁を感じる場面もあるかと思います。単語が分かれば当然、問題の理解が深まるわけですから、スコアアップの上でも有利です。
この記事では、語彙力の増やし方を考えていきます。
単語を覚えるコツは、"その単語に何度も出会う"ことです。また、その単語の意味を単純暗記するより"例文を利用して使われるシーンをしみこませる"ことが重要です。例えば「available(利用できる・役立つ・時間が空いている)」は「The available staff will help you.」では「手の空いたスタッフが承ります」ですし、「Broadband-connected computers are available in each terminal.」であれば「どのターミナルでも、ブロードバンド接続されたコンピュータをご利用いただけます」です。このように同じ「available」でも使われているシーンで意味が微妙に変わります。このシーンを頭に染み込ませて、単語がカバーしている意味を大きく捉える事が重要です。
では、単語をどのように増やしていくのか。増やし方としては主に2通りのやり方があります。
- TOEIC向けの単語帳などを利用して集中して単語量を増やす
- リーディングやリスニング問題の対策をやりながら語彙量を増やす
1.TOEIC向けの単語帳で集中して単語量を増やす
単語帳を利用して単語量を増やす時に重要なのが、"TOEIC向けに編まれた単語帳を利用すること"と"例文と例文音声が付いていること"です。TOEICは日常生活と初歩的なビジネスシーンを中心とした単語が求められるので、教養系の単語が多い大学受験向けや一般向けの単語帳では学習効率が落ちます。ですから、TOEIC向けに編まれたものを使用することが効率的な学習の第一歩となります。また、例文と例文音声が必要なのは、単語をシーンや音に関連付けて覚えていくことが効果的だからです。
次に学習方法です。「リスニング対策のSimple Step その2」でも触れていますが、「単語と例文の意味をチェック(ノートにメモ)→例文を聴く→音読3回以上」で覚えていくのをお勧めします。ここで「覚える」と書きましたが、その狙いは「単語に触れること」です。例文を聴いて、数回音読するだけで覚えるなら苦労はいりません。しかし、この作業をやっておけば、その単語が次に出てきたときに「おや? なんだか見覚えがある」ということになります。ここでもう一度意味を確認すれば、記憶が強まります。また、聴いて練習することでリスニングの勉強にもなるでしょう。
一方、やらなくていいことも書いておきます。"TOEICはスペルの正確性は問われません"。ですから、スペルは思い切って無視します。まずは"読んでわかる、聴いてわかる"単語を増やすようにしていくことが重要です。これができれば、スペルを覚えるのは簡単です。また、単語帳は類義語などの関連する言葉も一緒に紹介されているものも多いですが、全て覚えるのは至難なので、目を通す程度にして、”まずは見出し語を勉強”していきましょう。類義語などはリスニングやリーディングの問題を練習する中で増やすという手で良いかと思います。
もう一度、流れをまとめましょう。「単語と例文の意味をチェック(ノートにメモ)→例文を聴く→音読3回以上」でその単語に触れる。スペルは思い切って無視です。類義語や関連語などは、目を通す程度にしてその後の問題演習などで触れていくのです。
2.他分野の対策をしながら単語量を増やす
単語帳を使うのが苦手という方もいらっしゃるかと思います。私もそうです。この場合、TOEICのリーディングやリスニング対策をしながら単語力をつけていくことになります。この時、参考書選びの基準として重要なのが"例文や問題解答などで、重点単語の意味が紹介されているか否か"です。これが無いと辞書を引いたりする手間などが増え、学習効率が落ちるので要チェックです。単語力が少ないと感じているなら、この単語紹介がどれくらい手厚いかで参考書を選んでも良いかもしれません。
このやり方は、TOEICテストの対策を具体的に進めながら単語力を上げるので効率は良いのですが、越えなければならない欠点もあります。それは「読み方」です。単語帳以外のものを利用すると、単語の意味はあっても発音記号も付いていませんし、リーディング対策の参考書などは音声も付いていないので、「読み方」が分からない場合があります。スペルから大雑把に「読み方」を把握できる方は問題ありませんが、そうでない場合は戦略が必要です。この場合、音声の付いているリスニング対策の参考書や問題集から始める手があります。喋ってくれるので、読み方が分かるわけです。
学習方法はほぼ1で紹介している流れと同じです。リスニング対策の参考書を例にとりましょう。まず、例文やスクリプトについている重要単語の紹介や訳を確認します。また、そこに無いもので分からない単語が複数あった場合は"全部調べようとせず、短い文章だったら特に気になるものだけ、長い文章だったら2~3個だけノートの端に単語と意味を書いておきます"。そして、音声を聴き、音読3回です。これを「作業」としてやっていきましょう。ちなみに、参考書の解説や演習問題は普通にやりましょう。
この「作業」を一通り終えても、覚えているもの、覚えていないものかなりまちまちだと思います。それで良いことにします。次の参考書や問題集も同じことをしたとき、かなりの確率で似たような単語に出会います。そこで、「なんか見たことあるな」となったらしめたもので、その意味を確認すれば、さらに記憶が強化されます。
まとめ
単語を増やしていく上で、"その単語に何度も出会う"ことと、"例文を利用して使われるシーンをしみこませる"が大事。単語帳を使うのであれば、「単語と例文の意味をチェック(ノートにメモ)→例文を聴く→音読3回以上」でその単語に触れる。スペルは思い切って無視です。類義語や関連語などは、目を通す程度にしてその後の問題演習などで触れていくのです。
リーディングやリスニング問題の対策をやりながら単語量を増やすのであれば、参考書は例文や問題解答などで、重点単語の意味が紹介されているかものを選ぶ。リスニング系の参考書から始めると、単語の「読み方」の部分の問題が避けられます。基本は単語帳の勉強方法と同じ。重要単語以外で分からない単語は手間なので"全部調べない"。手間の割に覚えません。参考書が一冊終わって単語を忘れていても気にせず次の参考書へ。
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