その2では具体的な勉強計画を立てていきましょう。初級者編と基本は同じです。
3ステップに分けて具体的な勉強計画に落とし込みます。なお、今回は参考書で独学することを前提とします。他の教材でも基本は一緒なので読み替えてみてください。
- 利用する参考書と勉強方法を決める
- 計画フレームに落とし込む
- 実行してみる
さっそく一つずつ見ていきましょう。
利用する参考書と勉強方法を決める
参考書選びとその使い方です。まず最初に1点。”一つのものが終わったら次”が原則です。浮気しないで集中することが大事です。用意するジャンルとしては、TOEICテストの内容に沿って3本の柱で考えます。
- リスニング(Part1~4)対策
- リーディング問題(Part 5~7)対策
- 時間配分対策、予行演習
リスニング対策では、参考書の解説をきちんとチェックしましょう。例えば、Part 3とPart 4での「問題先読み」などはどの参考書でも掲載されている「基本テクニック」です。こうした技術的な面も含めて、繰り返し練習して身につけましょう。参考書はリスニング対策に特化したテクニック解説付きのものを終えて、問題集に進む方法をお勧めします。
使い方は、参考書の問題を解き、切りの良いところで解答で訳と単語をチェックします。その後、もう一度設問を聴いて3回以上スクリプトを音読します。音読は心の中でもかまいません。慣れてきたら、設問の音を聴いてその上から音読していくシャドーイングも効果的です。2周目でも解説をもう一度チェックして、同様に繰り返します。問題音声は既に耳に内容が残っている場合が多く解答しやすいと思います。2周目では解説をもう一度読んでテクニックを試したり、音読してリスニングの訓練をすることが大事です。3週目は軽く流すか、次のテキストに行ってもOKです。
なお、中級向けのリスニング問題集は”音声が公式問題より早い”ため、より聴き取りにくいかと思います。しかし、泣き言は言ってはいけません。必ず慣れる上、本番時にはその練習の意味が分かります。
利用する教材例は下記です。文章中のリンクは参考書レビューへ、下はAmazonリンクですのでご参考にどうぞ。
解説の付いたものでは、芝山かつの 『スコア900へのTOEICテストパーフェクトリスニング』 (桐原書店 2010)。純粋な問題集としては、ビッキー グラス 『新TOEIC TESTリスニング問題集―New Version対応』 (ジェイ・リサーチ出版 2006)などがあります。
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2本目の柱、リーディング対策(Part 5~7)です。
リーディング対策は、テクニック解説付きの参考書でも、問題集形式でもどちらではじめても構いません。リスニングよりテクニックに頼る割合が少なく、問題を解きながら単語や文法パターンを覚えていく方が良いからです。
参考書の使い方は、問題を解き、解答と単語をチェックしてきます。この時、間違った問題はチェックしておきます。参考書を1周終えたら、2周目は間違った問題に改めて挑戦し、3週目は2周目でも間違った問題に当たります。
また、単語はあまり深追いしないことが大事です。基本は”問題をこなしていくうちに覚える”ですから、分からない単語を片っ端から調べてはいけません。参考書に乗っている単語類や特に気になる単語のスペルと意味をノートの端にメモする程度で良いでしょう。
教材例です。Part 5~6対策として解説付きの『新TOEIC TEST英文法・語彙スピードマスター』、ひたすら練習するなら『新TOEIC TEST英文法・語法問題集』などがあります。
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最後の柱、時間配分対策です。
参考書は公式問題集を利用します。新しいもの(Vol.5)から使いましょう。
この練習は、”解答ペースを掴み”、”分からなかった時にパニックにならない”ためにも必要です。本番への心の準備と言ってもよいでしょう。
時間配分について説明します。リスニングパート(Part 1~4)の時間配分は音声のペースが決まっているので頑張りようがありません。ただし、”分からなかった時、その問題をどこで捨てるか”といった「割り切り」を練習します。解答に迷って、次の問題が始まってしまったということが無いようにします。
リーディングパート(Part 5~7)は、各パートの目標タイムを最初に割り振ります。参考例として下記を挙げておきます。
- リーディングパート目標タイム(制限時間75分)
Part5 40問 10~15分 (15~22秒/問)
Part6 12問 5~ 7分 (25~35秒/問)
Part7 48問 45~50分 (56~62秒/問)
計 60~72分
この目標タイム内で解答することを目指して練習します。大事なのは現在のペースと目標タイムとの差を知ることです。差が分かれば、あとはどこで割り切るかなどの作戦が立てられます。また、試験中もペースをつかめているので焦ることはありません。この目標タイム内で、全問解答できるようになると、800点も近付いてきます。
教材は先にも紹介しましたが新公式問題集です。
計画フレームに落とし込む
参考書も決まりました。しかし、忙しいビジネスパーソンの最大の悩みは、学習時間をいかに創るかです。そこで、フレーム(考えを整理する枠組み)を使って整理しましょう。今回、期間は2カ月です。
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| 2ヶ月間学習フレーム |
縦軸は期間、横軸は「学習できる時間」、黄色い部分には場所を入れます。白い部分には勉強内容です。
この例の場合、通勤・帰宅時間は電車内、昼休みは会社の会議室、帰宅前は喫茶店、休日も近所には図書館で勉強することにしています。”コマ切れの時間でも良いので学習できる隙を探す”ことが重要です。また、疲れるので勉強時間は最大でも1時間半までと決めておきます。短い方では10分でも時間があったら勉強する心意気で良いでしょう。
今回はリーディング対策を先行させます。最初の1~3週間で文法や単語面での充実を先に図ろうという作戦です。ペースとしては、1~2冊のリーディング問題集を投入します。1冊につき3周はマストです。なお、2カ月でやるならこれくらいのペースで行きたいという「希望」でもかまいません。
4~6週目はリスニングパートのトレーニングです。テクニック付きの解説書→リスニング問題集という流れを予定します。
7週目は公式問題集を利用して、時間配分の練習を行います。8週目は予備として取っておき、必要な練習をすれば良いでしょう。
なお、通勤時などの隙間時間は1~3週目は単語対策、4~7週目はリスニング・リーディング問題集のリスニング部分のスクリプトを「耳で聴いて→目で読んで→意味を知って→音読(心の中)」をすることにしています。なお、こうした隙間時間は寄り道でPodcastなどを使ってもよいかもしれません。
以上のように、ざっくり計画します。なお、参考書は”いきなり全てを買いそろえるのではなく、一冊終わったら買う”にしてください。 勉強は飽きるものなので、意識的に変化や区切りをつけるのも大事です。
以上を参考にぜひご自身で勉強計画、立ててみてくださいね!
→(次)スコア600点→800点へのSimple Step ~ その3 +αで楽しんで勉強
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