さて、目標・期間が定まり、TOEICの勉強ポイントを掴みました。
今回は参考書で独学することを前提として考えます。独学の組み立てに自信がない方は、通信教育やスクールでパッケージとして勉強する方法もあります。レポートもしていますので、合わせて検討してみてください。
さて、独学の場合、3つに分けて具体的な勉強計画に落とし込みましょう。
- 利用する参考書を決める
- 計画フレームに落とし込む
- 実行してみる
利用する参考書を決める
参考書選びです。基本原則は”一つのものが終わったら次の本”。参考書をこれと決めたら浮気しないで集中して勉強することが、学習効率を高める第一歩です。用意するジャンルとしては、TOEICテストの内容に沿って3本の柱で考えます。
- 文法、単語対策
- リスニング(Part1~4)、リスニング問題(Part5~7)対策
- 時間配分対策・予行演習
まず文法、単語対策です。
文法、単語は英語学習の足腰となる部分です。”文法は1度やっておけば、忘れたときにどのようなルールだったか調べれば良い”ので、文法に苦手意識のある方はぜひ一度勉強しておきましょう。
単語対策はコマ切れでも勉強しやすいのが特徴です。例えば通勤時間など、隙間時間の学習にぴったりです。単語帳は"TOEIC向けに編まれたもので、例文と例文音声が付いているもの"を選びましょう。また、「単語と例文の意味をチェック(ノートにメモ)→例文を聴く→音読3回以上」で覚えていくのをお勧めします。詳しくは下記も読んでみてください。
→単純作業でOK! 単語力強化のSimple Step
利用する参考書は一例として下記とします。文章中のリンクは参考書レビューへ、下はAmazonリンクですのでご参考にどうぞ。
石井辰哉 著/ 明日香出版 1998年
TOEIC特化の基礎文法書としては、異例のロングセラー。文法書としての分かりやすさの他、TOEIC対策も同時に行えるところがGood。(レビューはこちら)
成重 寿 著/Jリサーチ出版 2004年
TOEIC向けの単語帳としては長年の売れ筋。見出し単語、例文、音声、関連語がついており、非常に勉強しやすい本です。(レビューはこちら)
次にリスニング・リーディング問題対策です。主な目的はTOEICテストのパターンを勉強することです。参考書は2通りあり、「TOEICのリスニング問題とリーディング問題全編に渡って解説した参考書」と「リスニング、リーディングそれぞれに特化した参考書」です。これはどちらでも構いません。今回は前者の総合型の参考書にします。なお、参考書は各パート攻略の解説が付いているのはもちろんですが、練習問題の他に模擬試験がついていればなお良です。
利用する参考書の一例として下記をあげておきます。参考書レビューに他の本も載せています。
塚田 幸光 著/ アスク出版 2011年
TOEIC受験の手順から、各パート攻略までかゆいところまで手が届く参考書です。ビジュアルも秀逸で問題パターンが確実に押さえることができます。(レビューはこちら)
山本淳子 著/ こう書房 2012年
TOEICテストの各パート攻略を中心に解説と演習が組まれています。大学生向けに丁寧な作りとなっているところがGoodです。
最後に時間配分対策と予行演習です。初級者のほとんどは、リスニングで分からなくなったり、リーディングで時間が足らず焦って本番中パニックになります。これでは解答に集中できません。
そこで、公式問題集を利用して、あらかじめ各パートの時間配分や目標タイムを振っておきます。また、この予行演習であらかじめパニック体験をしておいて、「時間が足らなくなる」ことに対する心の準備をしておきます。
なお、TOEICの標準的な時間配分は下記です。
- リスニング(Part1~4 100問)45分間
- リーディング(Part5~7 100問)75分間
国際ビジネスコミュニケーション協会 2012年
公式問題集です。2回分の模擬試験と公式と同じ出題者や音声で練習できます。ペースを掴むのには最適ではないでしょうか。
計画フレームに落とし込む
参考書も決まりました。しかし、忙しいビジネスパーソンの最大の悩みは、学習時間をいかに創るかです。そこで、フレーム(考えを整理する枠組み)を使って整理しましょう。今回、期間は2カ月です。
![]() |
| 2ヶ月間学習フレーム |
縦軸は期間、横軸は「学習できる時間」、黄色い部分には場所を入れます。白い部分には勉強内容です。
この例の場合、通勤・帰宅時間は電車内、昼休みは会社の会議室、帰宅前は喫茶店、休日も近所には図書館で勉強することにしています。”コマ切れの時間でも良いので学習できる隙を探す”ことが重要です。また、疲れるので勉強時間は最大でも1時間半までと決めておきます。短い方では10分でも時間があったら勉強する心意気で良いでしょう。
今回は文法を最初の3週間でやると「決めています」。本当に終わるかは別です。2カ月でやるなら これくらいのペースで行きたいという「希望」でもかまいません。
4~7週目はリスニング・リーディング対策の参考書を2冊やることにしました。これ以外にも、リスニング専用の参考書とリーディング専門の参考書を分けて勉強してみても良いと思います。
直前3日前には、公式問題集の模試2回分をやって「どれくら時間が足りないのか」を掴んで、本番時にパニックにならないようにします。
通勤時は1~5週目は単語対策6~7週目はリスニング・リーディング問題集のリスニング部分のスクリプトを「耳で聴いて→目で読んで→意味を知って→音読(心の中)」をすることにしています。
以上のように、ざっくり計画します。なお、参考書は”いきなり全てを買いそろえるのではなく、一冊終わったら買う”にしてください。 勉強は飽きるものなので、意識的に変化や区切りをつけるのも大事です。
実行してみる
さて、計画を立てたのでいざ実行です。やはりビジネスパーソンですから、”目標必達”と言いたいところです。しかし、そんなにうまくいかない場合もあるはずです。計画を立てることで”現実のずれを知り、今後の学習ペースを掴む”ことも重要です。文法の学習期間が4週間に伸びそうなら、それで良いのです。その代わり、お尻は決まっていますから、リーディングとリスニングの期間を減らします。
こうして「やること」を決めておけば、同時に「やらないこと」も決まります。効率的な学習のためには”選択と集中が大事”なのです。
短期勝負の計画です。なんとかして走りぬきたいものです。がんばってください。(終わり)
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