▼ 今回の単語 (単語部分はWeblio英和とリンクしています)
- intrusion [名詞] 侵入
- regrettable [形容詞] 遺憾な
- summon [動詞] ~を呼び出す
- territorial row 領土問題
ロイターや海外の新聞が平気で伝えてることでも、なぜかそろって自主規制することがあるんですよ・・・日本のメディアは。
というわけで、今日はBBCで「遺憾の意」の表現を学び、考察してみましょう(笑)。
Ten Japanese boats carrying around 80 activists arrived in the area early on Tuesday, Reuters news agency reported, monitored by Japanese Coast Guard vessels. Public broadcaster NHK said the boats were carrying "regional lawmakers and members of the foreign media".
Japan's top government spokesman said the "intrusion into territorial waters" was "extremely regrettable". Japan also summoned the Chinese ambassador to protest, reports said.
The territorial row has been rumbling for years but was reignited last year when Japan bought three of the islands from their private Japanese owner.
"Japan PM Abe warns China of force over islands landing", BBC, 23 April 2013
英国BBCは23日、中国の8隻の海洋監視船が尖閣周辺に出現したことや、"Ten Japanese boats carrying around 80 activists arrived in the area early on Tuesday"(日本の活動家80人を乗せた船が火曜日の早朝、尖閣諸島周辺に到着した)ことを報じました。この船には、地方議員と海外メディアのメンバーが乗っているそうです。
ここのところのニュースを組み合わせてみると、尖閣付近での日本・台湾間の漁業協定+政治家の靖国神社参拝+尖閣周辺に日本人活動家登場+中国船8隻出現というのは、すべてがつながっているように思えますが・・・。
さて、Japan's top government spokesman(日本の官房長官)は領海への侵入に対して、"extremely regrettable"(極めて遺憾)と述べ、外務省は"summoned the Chinese ambassador to protest"(中国の大使を抗議のため呼び出した)とのこと。
BBCは、"The territorial row"(領土問題)は長年くすぶっていたことと、日本政府が所有者から買い取った昨年から"was reignited"(新たに火が付けられる=再燃する)状態となっていることを説明しています。
さて、本日の本題である「遺憾」について考えてみましょう!
まず、遺憾とはなにか? 大辞泉によると「期待したようにならず、心残りであること。残念に思うこと。また、そのさま。」です。
遺憾の英訳は"regrettable"。
Oxford英英辞典で調べると"(of conduct or an event) giving rise to regret; undesirable; unwelcome:"(残念であり、望んでいない、ありがたくないさま)となっています。
実はちょっと違うんじゃないかと思うわけです。
「遺憾」には「心残り」という残念まではいかないけれども、「心の奥にもやっと引っかかっているなにか」まで含まれています。ですから、"regrettable"よりやや広い言葉のような気がします。図で表現するとこんな感じ。
残念度 大 小「遺憾」が持つ残念度の幅広さは、領海侵犯から、「遺憾ながら~」と言葉の枕につけて、会議の欠席を詫びるときまで使える優れものです。逆に、"regrettable"は「あー残念だぁ、ほんと残念だわぁ」といった感じの比較的強い残念感がにじむので、ちょっとした「残念さ」には使いにくい言葉だと思います。
・遺憾 <------------------>
・regrettable <----------->----------->------------------>
まぁ、今回の話であれば"extremely regrettable"(極めて遺憾)なわけですから、「すげー残念! もうほんと残念で悔しくて、まぁどうしましょうっ!」くらいの話ですから、まさに"regrettable"なんですが。
さて、もう一つの「遺憾」の特徴は主語がいらないところです。
原因や犯人への怒りではなく、起こっている事態に対して「残念」という感想を表します。これが非常に使いやすい。
もし原因や犯人を特定して「お前が悪い、残念だ」と述べたとします。すると、名指しした人と摩擦や対決が起こる上に、もし自分が間違えていたら自分自身が批判されてしまうため、勇気がいります。しかし、「遺憾」であれば、「今の状況」に対する感想ですから、連発しても大丈夫なのです。
そんなわけで、この「遺憾」という言葉、日本人好みのあいまいさがよく使われている理由のようです。
▼ やっぱり似たようなこと考えるのね(参考リンク)
"遺憾の意ってどう訳しているの?" R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20121004-00026351-r25
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