教育再生なるか?
大学入試のTOEFL導入は異論続出のようです。
自民党 教育再生実行本部は、「TOEFLの成績を大学の受験資格や卒業要件にすること」などを柱とした、政府への提言案の了承を見送ったとのこと。
グローバル人材養成を目的とした提言でしたが、TOEFLを運営するETSがアメリカの団体である点や、「日本の歴史を大事にすべき」などの疑問や異論が続出したそうです。また、TOEFL導入推進派からも、一律導入ではなく選択制にすることなどの注文があったとのこと。
・ ・ ・ ・ ・
「日本の歴史を大事にすべき」と「TOEFLの導入」は別の問題だろっ! など、突っ込みどころ満載ですが、「グローバル人材」という言葉、実は産業界でも定まっていません。
なんでブレるのか。それは、「みんなにどこまでやらせるか」という問題だからです。
「グローバルエリート」なら大変簡単です。
多言語に堪能で、自国の歴史や文化に精通し、相手の文化や習慣も尊重しつつ対等にコミュニケーションできる能力がある上で、各分野の専門性を持っている人です。
これなら、国際的にどこでも通用します。
でも、そんな「すごい人」を一律に育てるのは無理があります。
この問題は、「誰に対して」が定まっていないか、表立って言えないところから起こるのだと思います。
要するに、「エリート」向けと「みんな」向けをごっちゃにするから、一挙に問題が噴き出すのです。
「みんな」のレベルの底上げなら、大学入試や卒業時点に学習機会を限らなくてもよいはずです。
例えば、企業に入って必要性を感じた人が、フレキシブルに語学や歴史を学び直せる機会を作ったらどうでしょうか。これは、リカレント教育として海外では結構導入されています。
過去のサラリーマン大量生産よろしく、一律に「グローバル人材」っぽい何かを求めても、なかなかうまくいかないのではと思った次第です。
▼ 記事元
「「入試のTOEFL、理数必須」異論続出、了承見送り 自民教育再生本部」 産経新聞 2013年3月28日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130328/stt13032822100004-n1.htm
▼ TOEFLに触れてみる1冊
ぽちっと応援よろしくお願いいたします!





0 件のコメント:
コメントを投稿