さて、その3ではTOEICの学習ポイントを掴みましょう。
集中すべき点は3点です。
1.TOEICに必要な英文法を理解し、語彙を増やすこと
2.TOEICテストの問題形式や設問パターンを知り、慣れること
3.英語の流し聴きや音読を通して、耳を慣らすこと
1つ目の「TOEICに必要な英文法を理解し、語彙を増やすこと」をお話します。
日本語であれば、「私は/あなたが/好きです。」でも「あたたが/私は/好きです。」でも「私は/好きです/あなたが。」でも通じます。一方英語ではどうでしょうか? 「I love you.」と「You love I.」では、「私」と「あなた」で主語が逆転してしまいます。また、、後者の「I」は目的格の「me」にならないと正しくありません。”英語は正しい順序に正しい形の言葉を入れなければ通じません。”
余談ですが、日本語は単語に「助詞(いわゆる「てにをは」)」を添えて単語同士の関係を示します。そのため、順序に関しては大変ルールがゆるい言語です。一方、同じ漢字圏でも中国語は順序で単語間の関係を示すため、英語に近い文法となります。
さて、多くの初級者が痛感するのは語彙の不足ではないでしょうか。
語彙を増やすことも大事です。しかし、語彙だけ学習してもなかなか力になりません。知らない単語があっても”文章の大きな意味”がつかめる想像力など他に大事なこともあります。また、語彙の増やし方も、スペルと読みと意味を単純暗記するより、”文章を聴いて口で真似て覚える方が良い”と思います。それともう一点、「覚えよう」と根を詰めると、「覚えない自分」が嫌になっていきます。ですから、一度で覚えようとせず、問題などで何度か出会ううちに覚えるのが理想的です。子供は、大人の言葉を何度も聴いて、口真似をして、後から意味を知っていきます。同じようなプロセスの方が、頭の入りは良いのです。ちなみに、”TOEICテストでは「スペルの正確性」は問われません”。ですから、言葉が「聴ける」「読める」「ざっくり意味が分かる」が大事です。何度も書いて「スペルを覚える」作業はひとまずカットでいいでしょう。
2つ目は、「TOEICの問題形式や設問のパターンを知り、慣れること」に集中しましょう。
TOEICはリスニング問題がパート1~4まで100問、リーディング問題がパート5~7まで100問です。毎回各パートの形式は決まっていますし、設問の傾向もあります。リスニングであれば、「英語の聞取りに慣れること」もあれば、「解答テクニックに慣れること」もあります。一方、リーディングで問われるのは、「文法・語彙」と「文章の大意を掴む力」です。文章といっても、「スーパーの安売りのお知らせ」や「ビジネスパートナーのE-Mail」と、ビジネスパーソンには内容が想像しやすいものも多くあります。これらの傾向をつかみ、正解できるパターンを確実に押さえることがスコアアップの第一歩です。
3つめは、英語の音に慣れることです。
何も知らない間は、英語の音を聴いても雑音にしか聞こえません。でも、途中の「I love you.」は聞こえるかもしれません。それは「音」と「意味」が頭の中でリンクしているからです。「アイラブユー」や「アイラービュー」などの音は、多くの人がどこかで聴いたことがあるはずです。TOEIC学習中で仕入れた語彙を様々なパターンや速さで聴く機会を作っていくのも手です。また、”話していることの理解が2割、3割と増えてくると、内容全体の理解はそれ以上で進んでいきます。”それはクイズと同じで、ヒントが多くなると正解(実際に話している内容)を想像しやすくなるからです。また、聴いたり読んだりするうちに、英語のテンポや間も掴めるようになります。
まとめましょう。
・ ・ ・ ・ ・
1.TOEICに必要な英文法を理解し、語彙を増やすこと
英語は正しい順序に正しい形の言葉を入れなければ通じません。語彙は文章で聴いて口で真似て覚えます。また、一回で覚えようとせず、何度も単語に出会っているうちに覚える。スペルの正確性はテストで問われないので、スペルを覚えるのはひとまずカット。
2.TOEICテストの問題形式や設問パターンを知り、慣れること
リスニング問題は「英語に聴き慣れる」「問題のパターンに慣れる」。リーディング問題は「文法・語彙」「文章を大きく掴む」力が大事。傾向をつかみ、正解できるパターンは確実に押さえましょう。
3.英語の流し聴きや音読を通して、耳を慣らすこと
覚えた単語をいろいろな速さやパターンで聴いて見る。なんども聴いて真似て、「音」と「意味」を頭の中でリンクさせるのが大事。話していることの理解が増える以上に、全体内容の理解は進んでいく。
おつかれさまでした。次は学習手段を決めていきましょう。
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